有罪モラトリアム
私は彼の手を取って、家まで歩きました。
あぁぁ。。。
彼はどう思ってるかな・・・。
私の気持ちがわかるかな・・・?

家の前に着きました。

私「ここです。送ってくれてありがとでした。
  じゃあ、また・・・。」

彼「はい・・。また・・・。」


私は恥ずかしさのあまり、走って家にかけこみました。
な、なんてことしちゃったんだろう?!!
あぁあああぁ・・・。

「ただいま。」と言い捨て、階段を駆け上り、すぐにまたベッドへバタリ。

あー・・・失敗した・・・・。

変な女だと思われたかも・・・。

ばかじゃないの、私・・・。



すると、ケータイが鳴りました。
彼からでした。

うぅ、話しづらい・・・。

なんだろう・・?
恐る恐る、電話にでました。


彼「ユキさん・・・ありがとう・・・。」


私「え・・。」


彼「すみません、嬉しくて何も言えませんでした。」


私「あ・・えっと・・」


彼「大好きです。おやすみなさい。」


私「おやすみなさい・・・。」


私の気持ち、わかってくれたんだ・・・。
良かった・・・。
元気出してね、カナタさん。



気持ちを伝えるのに、言葉よりわかりやすいことってある気がする。
もちろん、確実に伝わるなんてことないだろうけど。
でも下手くそなキスでも、彼を元気付けたいって気持ちが伝わって、
それは精一杯の私なりの励ましだったから・・・
わかってもらえてすごく嬉しかった。
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