有罪モラトリアム

「はぁぁ?!!そんな怪しい男なんて!!!
 今すぐ、別れなさいっ!!!」
「はい?!!怪しい?!!どこが?!!」

「ネットで知り合うなんて危なすぎ!!何考えてるの!!」

「おねーちゃん…。カナタさんは普通の大学生だよ…。」

「ダメダメ!!お父さん達に反対されたんでしょ?」

「違うよ~・・・。ケータイの料金がね、高くなっちゃって、怒られたの。
  おまけに今月も高かったらゲームやめなさいって。」

「私もそのほうがいいと思う!!」

「おねーちゃんならわかってくれると思ったのに!!」

「あんたは世間を知らなさすぎだから、きっと騙されてるんだよ!
 いいから、おねーちゃんのいう通りにしときなさい!」

「おねーちゃん、ネットゲームに変な偏見持ちすぎ!!」

「理解できるわけないじゃないの!!
 お母さん達に、ネットで出会ったって話したの?家には連れていったの?」

「まだ会わせてない…彼氏はいるって言ってあるけど。
 ネットのことは・・・言ってない。」

「私が話すからいいわ。」

「はぁぁぁ?!!やめてよ!!誤解されたらどうするの!」

「絶対騙されてるんだってば!」

「もし言うんだったら、同棲のことバラすからね!!」

「ちょっとーー・・・・。やめてよね!」

「ほら!おねーちゃんだって嫌なこと言われたくないでしょ?!」

「じゃあ、わかったから。
そのカナタさんって人に会わせなさい。
一度家に連れておいで!私、そのときそっちに帰るから。」

「ええええ?!なんでそうなるの?!」

「ユキの言うとおり、本当に真面目そうで優しい普通の大学生だったら私も納得してあげるよ。」

「もーーなんでこうなるの・・・。」

「いい?絶対会わせなさいよ!!日付決まったら教えて。
 なるべく土日にしてね!」


そういうと、ガチャっと電話を切られました。

ますます話がややこしいことに・・・!!!

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