有罪モラトリアム

「じゃあお願いしちゃってもいいですか…。土日がいいそうです…。」

「電話代のことも考えていました。
 IP電話って知っていますか?
 ネット回線で電話ができるんですけど。」

「IP電話・・・?」

「電話がタダでできるんですよ。今度一緒にマイクとか買いにいきませんか?」

そ、そんな素敵な物があるの・・??!!
知らなかった・・・!!

「そんなのあるんですか!!」

「すみません。もっと早くに言うべきでした。」

だぁぁぁ。
最初っから彼に相談しておけば良かった…。

こうして、彼を自分の家族に紹介することになってしまいました。
変な偏見を持った姉と、彼を会わせるのはかなり憂鬱でした。
何か変なこと言ったらどうしよう・・・。

不安でいっぱいでした。
彼と日付を決めて、母にもその日にお姉ちゃんが彼氏を見たがってるから、家に来るかも、と告げました。

母は少し驚いていましたが、

「お母さんも、一度会ってみたいなぁって思ってたんだよね。
 お菓子でも作ろうかな?」

と、なんだか楽しみにしている様子・・・うぅ。


こうして、土曜日に彼が私の家へ初めて来ることになりました…。

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