有罪モラトリアム

彼「緊張するなぁ・・・。」

私「そうですよね・・・w」

それでも、私のためにちゃんと家族に会ってくれることが嬉しかった。

家に到着して、私はどうぞ、と彼を玄関にあげた。

母&姉「いらっしゃ~い!」

!!
わざわざ玄関に出てこなくても・・・!

彼「はじめまして。
  ○○○○と申します。」

彼は軽くお辞儀をした。
おねーちゃんは、少し驚いたような顔をしていた。

母「遠いところからわざわざすみませんね。
  上がってください。」

彼「それじゃあ、お邪魔します。」

彼は居間に通されて、私と一緒にソファーに座った。
うわー・・・カナタさんが私の家にいる・・・。
ぅぅ、なんだか気恥ずかしい・・・・。

母「これ、作ったのでよかったら召し上がって下さいね。」

母は朝からパウンドケーキなんか焼いちゃって、
彼が来るのを楽しみにしてた・・・。
母の一番の得意お菓子だ。
なんだかとっても嬉しそうにみえた。

彼「いただきます。あ、これモナカなんですけどよかったらどうぞ。」

彼は丁寧にお土産まで持ってきてくれてました…。
なんて礼儀正しいの。
母は彼が持ってきたお土産もテーブルの上に並べました。

姉「カナタさんの実家ってどこなんですか?お住まいは東京なんでしょ?」

彼「あ、実家は東北にあります。家族は父しかいませんが…。」

姉「そうなんですか~~。」

おねーちゃんは興味津々の様子。
おねーちゃんが口を開くたびに何を言うつもりなんだろうって、
ドキドキしちゃう…。
しばらくアレコレと質問して、納得したのか、途中から質問をするのをやめた。
ハラハラしてたので、ほっと一息・・・。

彼「お菓子、おいしいです。ありがとうございます。」

彼はニッコリ母に微笑んだ。

母「まぁ・・・こんな素敵な人捕まえちゃってw」

母は冗談めいてそう言って、
褒められたことがすごく嬉しかった様子。
単純なんだから・・・w
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