有罪モラトリアム

しばらくいろいろとお喋りしていました。
話題はIP電話のことに。
彼は私のPCにネットでソフトをダウンロードしてくれました。
IP電話の説明もしてくれました。
駅前に電器屋があるので、一緒に見に行こうかという話になりました。

「ちょっと電器屋さん行ってきますー。」

「いってらっしゃい。」

家の外に出ると、彼は「はぁ、緊張したぁ。」なんて可愛く言って、
私と手を繋いで電器屋さんまでの道を歩きました。

電器屋にはIP電話に使える受話器や、マイクなど、意外といろんな種類の物が売られていました。
彼は使いやすいもので、私のPCでも使用できるものを選んでくれて、
マイクとヘッドフォンが一緒になったものを購入することに。

これで安心♪安心♪

一緒に店内をなんとなく見て回っていました。

「パソコン欲しいなぁ。今使ってるの結構古くって。
 どうせ買うならゲームできる性能のいいものが買いたいけど。」

「私も欲しいけど、バイトしてないから無理っぽいです。」

「僕は一応大学でバイトしてますけど…親に仕送りしてもらってる立場だからなぁ。」

「大学でバイトって…どんなことしてるんですか?」

「教授の授業の手伝いですよ。下級生の授業の資料をまとめたりとか。
授業中にちょっとしたアシスタントをするだけなんですけど、
けっこー割のいい仕事なんです。」

「へぇぇぇーーー。そんなバイトもあるんですね~。」


適当に時間をつぶして、また私の家へ戻りました。
買ってきたヘッドセットを繋いで、ちゃんと通話できるかチェックしてくれました。

「回線状況によっては、普通の電話より雑音が多くて音質は悪いんですけど、なんといってもタダですからね。」

「お話できればじゅーぶんです!!
 助かりました…。」

2つの問題は彼が家に来ることで、あっさりと解決しました。
どう見たって、母と姉は彼を気に入った様子だし、
IP電話だってちゃんと繋がったし、電話代の心配をする必要もなくなりました。
これでゲームをやめる必要もなくなったわけで・・・。

あ~・・・嬉しい(*・_・*)
さすがカナタさん!
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