有罪モラトリアム
しばらくすると、母が階段下から私たちを呼びました。
どうやらご飯ができたみたいです。
もう18時半になっていました。
ダイニングにいくと、いつもより随分と豪勢な食事が…。
彼に私の隣の席に座ってもらって、一緒に食事しました。
母は始終ニコニコしていて、
彼が料理を褒めるたびにすごく嬉しそうな表情になりました。
確かに、今日の料理は気合が入ってるせいかおいしい。
食べてる途中に、お父さんまで帰ってきちゃいました・・・。
彼は緊張した様子で、立ち上がって父に挨拶してました。
お父さんも礼儀正しい彼を気に入ったみたいで、時々笑顔をみせながら一緒に食事をしていました。
食べ終わると、父は彼に言いました。
父「そんな遠いところ、今から帰ったら大変でしょう?
良かったら泊まっていきなさい。」
な。なんですとーー?!Σ( ̄□ ̄;)
彼「いえ、そんな、ご馳走までしてもらったのに泊めていただくわけには…。」
母「遠慮なさらないでいいんですよ。
客室が空いていますから。」
父「明日は大学ないでしょう?」
おとーさん・・・。
おかーさん・・・・・。
そんなこと言ったら、断ることできないじゃん…。
彼はチラチラ私の方を見て、少し困った表情をしていました。
彼「じゃ、じゃあ…お言葉に甘えて…。」
父「ほら、お母さん、お風呂わかしてきなさい。
一番に入ってもらわないと。」
なにこの歓迎っぷりは・・・。
姉はニヤニヤしながら、何も口出しをせずに事を見守っていました。
こうして、急遽彼はお泊りすることになっちゃいました。