有罪モラトリアム
「明日、もし良かったら一緒にお買い物行きましょうか。」

「あっ、はいっ・・・。」

「ユキさん、何か欲しいものありますか?
もうすぐ誕生日ですよね。
平日だから会えないと思うので、プレゼントだけ先に買っておきたいんですけど。」

「え!!!」

私の誕生日、覚えててくれたんだ。
水族館行ったときにちらっと教えただけなのに。
でも彼にはいろいろ買ってもらったり、してもらったりしてるし…。
これ以上何かおねだりするなんてできないなぁ。

「あの、いろいろもらっちゃってるので、プレゼントなんていいですよ。」

「だめです。ユキさんの17歳のお祝いがしたいんです。
その為にちゃんとバイトだっていっぱいしたんですから、
受け取ってもらわないと。」

「むぅ・・・w
 そうですか・・・。」

「明日デパートにでもいって、決めましょう。」

「覚えててくれて、嬉しいです。」


彼はニッコリ笑って、私を引き寄せました。

あ・・・。

同じ、石鹸の匂い。


「こないだは消毒してくれてありがとう。」


「あ…あれは…。」


「ユキさん、真っ赤になってて可愛かったw」


「見えてたんですか!!w」


彼はクスクス笑って、私の髪にキスしました。
耳にも・・・。

ひゃぁぁぁ、くすぐったい・・・・。

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