有罪モラトリアム
「だ、だめです。隣の部屋におねーちゃんが…。」

私は小声で慌てて言いました。

「じゃあちゃんと静かにしててくださいね。」

私の反応をからかって、彼は軽くキスを繰り返しました。

おでこ、耳、ほっぺ、髪、首筋・・・


ちょっとちょっとーーーーw
カナタさんてば!!!
あぁぁあ…顔がまた…。

「ユキさんが悪いんですよ。
お風呂上りにそんな色っぽい格好してくるから。」

「だ、だって・・・!寝るときはいつもこの格好だし・・・。」


や、やっぱり服に着替えておけばよかった・・・?!
彼はおかまいなしに、キスを続けました。

ぅぅぅ。なんで口にしてくれないの…。
焦らされてるみたい…。

なんか、変な気分になっちゃう…。






「止められなくなりそうだから、このへんにしておきます。」


彼はそう言って私から離れました。


「今日はもう寝ましょうか。」


彼にそう言われて時計をみると、もう12時になっていました。
こんな気持ちのままじゃ、寝る事なんてできないんですけど…。
う~…。
なんでちゃんとキスしてくれないの…?


「おやすみなさい…。部屋に戻ります…。」


しょんぼりと立ち上がって、部屋を出ようとしたら、
彼は私の肩を掴んで、抱きしめました。

< 229 / 287 >

この作品をシェア

pagetop