有罪モラトリアム
「なんでそんなにしょんぼりしてるんですか。」


「なんでもないです…。」


「じゃあ、いいですけど…。」


「カナタさんのいじわる…。」


「キスしたいんでしょ。」


「してくれないの?」


彼は私にキスしてくれました。
こないだのキスと違って、大人のキスでした…。
私は少し驚いてしまったけど、抵抗する気になんてなれなくって…。

息するのすら苦しくって、気持ちも苦しくって。
キスしたいって思っているのを見透かされて…
恥ずかしくて、恥ずかしくて…頭が沸騰しそう。

あれ・・・体に力入んない・・・。

私はクタッとなってしまって、彼に寄りかかりました。


「ユキさん・・?」


「うぅ…なにこれ…。立てなくなっちゃった・・・。」


な、なんでーーー。
なんで立てないの?!!
何が起こってるの?!!
腰くだけ?!!もしかして腰抜かしてるの?!!


「まいったな・・・w」


彼はソファーに私を運んで横に寝かせてくれました。


「はぁ…。部屋に帰したくなくなる。
 どこまで無防備なんですかw」


カ、カナタさんーーー?!!

だってこんなんになっちゃうなんて思ってなかったんだもん!!


「ご、ごめんなさい…。なんか力が入らなくて…。」

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