有罪モラトリアム

彼はじっと私を見つめていました。
でも動くこともままならなくて。
しばらくずっと見つめ合ったまま、恥ずかしさを堪えていました。


「あ、あの…そんなに見ないで下さい…。」


「パジャマ姿なんて貴重だなぁと思いまして。」


「恥ずかしいです・・・。」


「せっかくだから見ておかないと。」


ぅぅぅ。
今日の彼は意地悪すぎる…。
いっつも優しくて紳士なくせにーーw

私は視線をTVに逸らせて、できるだけ恥ずかしさを誤魔化そうとしました。
彼は見つめるのやめてくれなかったけど…。

暫くして、体をゴソゴソと動かしてみました。
あ、もう平気かな・・・?


「もう大丈夫・・?」


「はい・・なんとか・・・。」


ヨロヨロと体を起こして、なんとか立ち上がりました。
はぁ・・・びっくりした・・・。


「おやすみなさい、カナタさん。」


「おやすみ。ユキさんのお陰で眠れそうもありません。」


「今日のカナタさんは、なんか意地悪ですね…w」


「そんなことありませんよw」


「じゃあ明日また…。」


私は扉をそっと閉めました。
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