有罪モラトリアム

彼を呼んで、一緒にダイニングで朝ごはんを食べました。

シーンとしていたので、TVをつけました。


「あ、ユキさん、お買い物どこいきます?
東京方面ならデパート知ってるんですけど、ここらへんだと詳しくなくて。」


「少し遠出しますか?
カナタさんの家のほうにあったと思いますけど。」


「じゃあネットで調べて行ってみましょうか。」


「そうしましょ。」


また、会話が途絶えました。
なんだろ・・・この空気は。
何か話した方がいいかな?



「ユキさん・・・。」


「は、はい?!」


「昨夜はすみませんでした・・・。怒ってますよね・・・。」


「え!!」


私が怒ってると思ってたの?!
彼はしょんぼりとして、箸を止めてじっと私を見つめていました。


「怒ってませんよ・・・?ただ恥ずかしかったですけど・・・。」


「ごめんなさい。調子に乗りすぎました。」


彼は私に頭を下げました。


「キスされて怒る訳ないじゃないですか・・・。」


「本当ですか?」


「はぃ。」


彼はハァーっとため息をついて、「良かった。」と呟きました。
そのままTVを見ながらご飯を食べ終えて、2人で私の部屋に戻りました。
彼はネットでデパートを探してくれました。

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