有罪モラトリアム


しばらくウロウロと、カラオケ店を探しました。


カナタ・・・ごめんなさい。


キスされちゃうなんて・・・。


涙がとまらなくて、泣きながら歩きます。


途中で男の人が話しかけてきました。


でも見知らぬ人が怖くて、


さっきのこともあったせいで、


人に道を聞くのも躊躇われて・・・


無視してひたすら店を探し続けました。




私ってば、人にまかせっきりで、お店の名前もうろ覚え。


場所だって、駅からずっとカナタについてきただけで覚えていません。


人に頼る癖がついちゃってるから、余計に迷子。


自業自得。


それを考えると余計に泣けてきてしまいました。



どのくらいウロウロしていたのかわかりません。





「ユキ!!」




後ろから、私を呼ぶ声が聞こえました。
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