有罪モラトリアム
だんだん少し見覚えのある場所に着きました。
あ、あのカラオケ店だ!
ガー子はちゃんと店に連れてきてくれました。
カラオケ店の前に、MとB,そしてカナタがいました。
「ユキ!」
みんな私の姿をみつけると、駆け寄ってきてくれました。
「どうしたの?急にいなくなって…。」
Bが心配そうに聞きました。
カナタは・・・ガー子をじっと見つめていました。
「えっと・・・。」
黙っているべきか、言うべきか・・・。
答えにつまりました。
「ユキに何かしたのか?」
Mがガー子に聞きました。
す、するどい・・・。
ガー子は俯いて何も喋りません。
「ユキ、何かされた?」
カナタが聞きました。
私は彼の顔を見ることができなくって、
思わず顔を逸らしました。
「大丈夫だから・・・。ごめんね、急にいなくなって。
みんなのとこ、戻ろう…?」
泣きそうになりながら、そう答えるのが精一杯でした。
「悪かった。キスするつもりなんてなかったのに。」