有罪モラトリアム
ガー子がその言葉を放った瞬間、
カナタの表情が一気に険しくなって、
ガー子の襟元をグイッと掴み、
拳を振り上げて・・・
まるでスローモーションみたいに・・・
Mがカナタの腕を押さえて、
Bは驚いた顔をしていて、
私はただ立っていることしかできなくて。
「お前っ・・・!!!」
カナタがこんなに怒ったところ、見たことなかった。
見たくなかった。
Yさんとのイザコザの時だって、こんなに怒ってなかったのに。
「落ち着け、カナタ。」
「離せよ!」
「いいから、落ち着けって!」
「ごめん、殴っていいですよ。」
ガー子がそういうと、カナタは手を離しました。
「一体どういうつもりなんだ?」
怒った彼はいつもの丁寧な口調じゃなくなっていました。
「ずっと好きだったんですよ。
でも、ユキずっと気づいてなかっただろ?」
「気づくわけないじゃない…。」