有罪モラトリアム

みんなのところへ戻りました。

Mが「ガー子が帰るからみんなで送っていった」という説明をしてくれたみたいです。

私とカナタが2人で戻ると

「逢引ですかww」

と、茶化されましたが、却って都合が良かったかもしれません。



そのままカラオケを楽しむフリをしていました。

頭の中はグルグル。

いつから私のこと好きだったんだろ??

だからカナタとリアルで付き合ってるって言った時、怒ってたのかな??

じゃあなんで嘘つく必要があったの??

あの人は、何考えてるのかいつもわからなかった…。

私はおしぼりで何度かゴシゴシと口元を拭き取りました。

グロス取れちゃうけど、いいや。

なかったことにしてしまいたい。



私は恋の歌を歌いました。

こっそり、彼へのメッセージを込めて。


「今すぐ、ココで、キスして。」


MやBは気づいてたかもしれません。

恥ずかしかったけど、それでも彼に伝えたかった。

少しだけお酒も飲んで、酔っていたのかもしれません。

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