有罪モラトリアム
カラオケが終わると、今度は2次会で居酒屋へ行くことになりました。
時刻は既に21時過ぎ。
そろそろ帰らなくちゃ、遠いから終電に間に合いません。
でもこのまま帰るのは躊躇われました。
「ねぇ・・・B、今日泊めてもらっちゃだめ?」
「ん?全然いいよー。
ってかカナタさんとこ泊まっちゃったらーw」
Bは冗談めかして言いました。
「・・・そうしよっかな。」
「え?w」
暑い夏の夜。
街の光に包まれて、私の心は火照っていました。
正確に言うと、酔ってました。
酔ってるせいにしたかった、のかもしれません。
頭の中は相変わらずグルグルしていました。
私は彼に近づいて行って、小声で言いました。
「カナタ、帰りたくないから今日泊めて。」