有罪モラトリアム
第14章:熱帯夜
時刻も23時過ぎ。
そろそろお開きにしよっかーということになり、
タクシーで帰る人、電車で帰る人など様々。
「B、送ってく。」
「ん。ありがと。」
M達は一緒に帰っていきました。
「僕も送ります。」
「は、はい・・・。」
彼は私の手を取りました。
みんなの前で堂々と。
乗る電車は一緒。
私の家とは逆方向。
家族にはとっくに連絡済。
もちろん友達の家に泊まると嘘をついて。
もう、後には引けません。
電車に揺られながら、彼の体温を手に感じながら、
内心ドキドキものでした。
その反面、はやくキスしてほしいなんて思ってる自分もいて…
会話もそこそこに、
前にも来たことのある、彼の最寄駅に到着しました。
アパートまで、手を繋いだまま一緒に歩きます。
とうとう彼の部屋へ到着。
「どうぞ。」
「お、おじゃまします・・・。」