有罪モラトリアム



「紅茶、いれますね。」


「あっ・・・私やりましょうか?」


「座っててください。」


相変わらず綺麗な部屋。
ダイニングと、もう一部屋。
テーブルの近くにあったビーズクッションに座りました。

紅茶を持ってきてくれました。
いい香り。

息を吹きかけながら、一口ずつ飲みました。


「酔いは醒めましたか?」


「はい、だいぶ・・・。
あの、さっきはごめんなさいでした…。」


「驚きましたよ。」


「えと・・・。誤解しないでください…。」


「ちゃんとわかってますから。」


「は、はい・・・。」


「キスしてほしいんでしょ?」


「はい・・。ええっ!!?」


ああっ・・そんな誘導尋問!!
さすがに弁護士を目指しているだけのことは、ある…。

ってそうじゃなくて!!!

はいって言っちゃったし!!!
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