有罪モラトリアム


「僕も、ユキさんのこともっと知りたいんです。」


「ユキさんのことが好きです。」


画面から目が離せなかった。

気づいたら、泣いていた。

だいすきな彼が、私の事を好きだと言ってくれた。

こんなに幸せな気持ちを、今までの人生で味わったことなどなかった。

必死でキーボードを打つ。

手が震えてなかなか話せなかった。


「わたしも、カナタさんのことが大好き」


しあわせで、しあわせで、

胸のあたりにきゅーーーっと締め付けられたような痛みを感じていました。

胸がいっぱい、とはまさにこのこと。

好きな人に、好きと言われることが、

こんなにも幸せなことだとは知りませんでした。

他には何も考えられません。

ずっと画面の彼から目が離せません。

あなたが好き。大好き。

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