有罪モラトリアム

次の日学校へ行くと、何かがおかしかった。
グループの1人の女の子に「おはよー。」って挨拶してもシカトされた。
仲良しグループの5人はみんな私を徹底的に無視した。
お昼になって、いつもはみんなで机をくっつけていたのに…
今日は、私の席は無かった。

「喧嘩でもしたの?」
と、違うグループの子が話しかけてくれて、その日はその子達と一緒にお弁当を食べた。
すごく味気なかった。
会話も全然おもしろくなかった。
S達はなにやら私に聞こえない小さな声で、コソコソと何かを話している。
時々「えー!サイテー。」と、こっちをみて何か言ってくる。
私の事を言っているのだな、とすぐにわかった。
授業の合間の休み時間、私は何もすることができなかった。
いつもはSと喋っていたのに。

こんなのは嫌だ。
やっぱりT君と付き合うのはやめよう…。
こんなのが続くぐらいだったら、付き合わないほうがマシだ。
T君には悪いけど、やっぱり友達が大事なんだ。
男の子と付き合うチャンスなんて、次にいつくるかわからないけど、でも、恋は諦めよう…。
T君とは付き合わないよ!ってはっきり言って、Sに許してもらおう。
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