有罪モラトリアム
「だめなの・・・。みんな口を聞いてくれないの・・・。」

思わず、泣いてしまった。

「T君のこと、好きだけど、だめなの・・・・。」

思わず、本音を言ってしまった。

「じゃあ諦めない。なんとかしよう。Sには付き合ってること言わなきゃいいだけだろ?」

「隠れて付き合うってこと・・・?」

「うん・・・。コソコソするのは嫌だけど、ユキと付き合えないのはもっとイヤダ。
ちゃんと学校ではフラれたフリするからさ。誰にも言わない。
デートはして欲しい・・・それじゃ、だめ・・?」

「・・・・・だめじゃ・・・ない・・・。」

「じゃあ決まりっ!」

T君は満面の笑みを浮かべた。

私の涙を袖で拭いながら

「手つないでい?もう一緒に帰れないだろうから。」と言いました。


初めて、好きな人と手を繋いだ。
涙なんてすぐに止まった。
すごく嬉しかった。
この手を手放そうとしてたなんて・・・。

幸せでいっぱいだった。
なにもかも、うまくいくとおもってた。
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