有罪モラトリアム
第4章:初デート
ほのかにも 見しは夢かと たどられて
さめぬ思ひや うつつなるらん
『わずかにお逢いしたのは夢だったのかと思い迷わされ、
ならば覚めない恋しいこの思いは、はたして現実であろうか』
古典の授業で恋文を訳しました。
まるで私の気持ちをそのままに表現したみたいで、
人に恋する気持ちって、今も昔も変わらないんだなぁと、
なんだか不思議な気持ちになったことを覚えています。
彼と会っていた時間は、時間の単位で表せばたった8~9時間。
それでも、彼が私に与えた影響は大きくて、
次に会える予定もあるというのに、
会えない時間が寂しくて、寂しくて、会いたくて。
そんな私の想いを埋めてくれたのは、
大好きなゲームの世界でした。