有罪モラトリアム
水族館を出て、公園内を歩きます。
すると、急に彼の足が止まりました。
???
彼「ユキさん。」
私の名前を呼んで、
彼は私の手を取りました。
ぁ。あったかい・・・。
カナタさんの手、大きい・・・。
手を繋いで2人で歩き出します。
私はやっぱり恥ずかしくて、
彼の顔をみることができませんでした。
彼は何も話しません。
すこし不安になって、思わず顔を見上げました。
あ・・・カナタさん、また照れてる・・・。
目が合いました。
かぁーっと顔が熱くなってきます。
すぐ俯いてしまいました・・・。
そして観覧車のチケット売り場へ到着しました。
チケットを買って、観覧車の列に並びます。
10分ほどずっと、手を繋いだまま
何も喋らず・・・
そのまま観覧車に乗る番が回ってきてしまいました。
2人で観覧車に乗り込みます。
手を繋いだまま。
自然と、隣同士に座ることに。
わわわ。
こんなにピットリとくっついちゃっていいのかな・・・。
でもやっぱり彼は何も話してくれません。
おそるおそる、彼の顔を覗きこみます。
彼「ユキさん。」
すごく優しい声色でした。
私「はい・・。」
彼「だいすきですよ。」
私「わたしも・・・。」
恥ずかしいのに、今度は目を逸らすことができません。
彼は私の体を引き寄せて、ぎゅうっと抱きしめてくれました。
もう、胸が破裂しそうなくらいドキドキしていました。
体が震えていました。
でも、全然怖くなかった。