有罪モラトリアム


それはすごくすごく、しあわせな気持ちで・・・

そして彼はとてもしあわせなことばをくれました。





「ずっと一緒にいてください。」






私は黙って頷いて、
そっと体を預けた。




ずっと一緒にいさせてください。
ずっと、ずっと。




観覧車から、街の光がよくみえて、
まるでプラネタリウムのような夜景が広がっていた。
さっき彼と観た映像のように。

その景色がまぶたに焼きついて、ずっと頭から離れない。

あなたのあの言葉、あの約束。

キラキラと輝き続ける。




しあわせで、しあわせで、
この一瞬が永遠に続けばいいと思った。

本気でそう思った。







観覧車が下に降りる前に、私達はそっと離れた。

顔はきっと真っ赤だろう。

彼の顔ですら赤いんだから。


その後は、2人でレストランで食事をした。

さっきのことがすぐに思い出されて、水族館の時より会話が弾まなかった。
なんとなく気恥ずかしい。



彼「もう遅くなっちゃいましたね。」

私「そうですね・・・。」

彼「送っていきます。」


もう帰らなきゃならないんだ。
もうちょっと一緒にいたいな・・・。
帰り道を一緒に歩く。
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