二つ星

体育館にはもう他学年が集まっていて、うちらのクラスが一番最後の入場だった。

「1年H組、早く整列」

うちのクラスは部活生しかいないスポーツ科のクラス。
多少バカでも運動がズバ抜けていたら入れる。

「ええ…ゴホンッ…皆さん静粛に」

いつの間にか校長先生がステージに立っていた。

「先日の全国統一模試の結果が出ました、我が校…静城学院は最下位という結果になりました」

…だからなんだよ。

「なので、近隣校である宮野女学院の講師陣による放課後講習を明日から取り入れていきます」

…………!?

「「「「「「はぁ!!!???」」」」」」

「静粛に!!」

騒がしくなるのも当然だ。
うちの学校は以前から模試は最下位。
問題を起こさなければいいよ的な雰囲気があったくせに…
いきなり何を言い出すんだよハゲ頭。

「のんた…ヤバいよ」

「…あぁ」

宮野女学院…
妹の陽が通ってる高校。
もちろん明日葉も知ってる。
だが、問題は…同じ顔がこの学校にいる事。
もし、宮野の先生にバレたら…
小・中学で味わった屈辱感と劣等感がまた…
考えただけでも恐ろしい。

「だけど…スポーツ科は関係ないよな?」

廉太はうちよりバカだから、凄く不安そうに聞いてきた。

「…知らない」

「これは特進科だけではなく、商業科とスポーツ科も該当しています」

「マジで…」

廉太の顔がみるみるうちに青くなっていった。

「のんた…」

「明日葉…」

うちらも驚くしかなかった。
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