細い女の子なんて大っ嫌い‼
「俺の髪型じろじろ見て
 何なわけ?
 どうせ可哀想…とか思ってんだろ。」


その子の声は低くて思わず男子だって
意識しちゃうような声だった。


…てか図星…!
こういうときは嘘をついても仕方ない。


この子、自分の髪型がどんなにダサいか
知ってるみたいだし。


「ああそうだとも。
 美容院で失敗したんだなぁって
 哀れに思ったね。」


口調を変えて言ってた。


「ああそう。
 でもお前の髪型も相当ヤバいん…
 え…何お前…。」


「殺されたいのか。」


彼は、あたしの形相に気付き、
顔を引きつらせた。


あたしの髪型どうこう言う奴には
お仕置きが必要だと個人的に
思うんだけど。


「いっ…。」


顔を歪ませてその人がこめかみを
押さえ、屈み込んだ。


「そんなこというからこうなるのよ。」


そして腕を組み足を大股に開こうとした時。


「ちょっと奈那。
 あんた一体何人の男子を
 殺してきたわけ。」


「ちょっ…帆波ちゃん?
 殺したってあたしを殺人鬼みたいに
 言わないでくれる?
 この人ちゃんと動いてるよ!」

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