細い女の子なんて大っ嫌い‼
「ミミズ程度に、ね。
 …?!」


帆波ちゃんが飛び退き、あたしの肩を掴んだ。


「何?」


「だって…。」


その不細工な子があたしの前に立っていた。
あれ、まだやる気?


「お前…初対面の人に裏拳打ちって…
 まじ…。」


その人がゴニョゴニョ言っている。
顔がいかにもボロボロだよ。


「まじ…本気でやんなよ…。」


「本気出すわけないじゃん。
 あ、裏拳打ち知ってんだね。
 何習ってんの?
 空手?拳法?」


少し興味沸いてきた。
だってみんなあたしが空手習ってるって
事知った瞬間怖って目でみるんだもん。


「空手。」


「…これは奈那と話が合う。」


帆波ちゃんが苦笑いしてあたしから
遠ざかっていく。


「君、名前何?」


まあすぐに忘れるしどうでも良いけど。


「名前なんてどうでも良い、って
 思ってんだろ?
 すぐに空手の勝負したいんじゃねーの?」
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