細い女の子なんて大っ嫌い‼
何?
また急所突かれたんですけど…!


じいちゃん!
これ…どうすれば…?!



心はパニクってても口は
勝手に動いていた。


「あーよくわかってんじゃん。
 だけど今日空手のレッスン…。」


「「キャーッ。」」


黄色い女子の悲鳴が聞こえてきた。
あたしは吃驚し、階段を踏み外した。


「形本ー。」


殺気を感じたから振り返ってみると
さっきの光平氏が女の子達に囲まれて
あたしを呼んでいた。


「何。
 さっきの空手の技、見てた?
 教えてほしいなら教えてあげるけ。」


「いっ…いや。
 別に。」


光平氏は何の事か分かりませんって
顔しながらじりじりと後ずさった。
別にあたしが詰め寄った訳じゃないのに。


まあ良いや。
女の子達からは嫉妬の目で睨まれてるし
あたしは帰るとしようか。


やっぱり顔が良いと
女の子達は興味深々だ…!


「じゃあね。
 帆波ちゃん帰ろーよ。」


「へ?
 …奈那待って。」
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