細い女の子なんて大っ嫌い‼
あたしの秘かな…素晴らしい決心。
「下半身痩せ、か…。」


あたしは家に帰り、自分の部屋の
ドアをバタンと閉めてから呟いた。


今日会ったばかりの影薄男だって
光平氏だって細身だった。


帆波ちゃんはもちろん細い。
あたしも…
あたしも細くなりたい。


あたしはベッドに通学カバンを
置いて、勉強机とセットの椅子に座った。
机の上には自分専用のパソコンがある。


パソコンの電源ボタンを押すと、
ビビッと僅かな機械音が漏れた。


そして、
改めて自分の太ももを見つめる。
椅子に座るともっと太くなってる。


これ、当たり前だけどさ…。


多分水泳の時期とかになると、
もっと嫌気がさすんだろうな。


あの頃、…あの頃に
少しでもダイエットくらいしていれば!


とかなんとか。


今は5月でまだ間に合うかも。
現実はそんな甘くない?


でも物は試しだよ…。


あたしはパソコンの画面が
デスクトップに変わるのを見届けると、
マウスをしっかりと握った。
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