細い女の子なんて大っ嫌い‼
最悪…。


あたしはしょうがないから屋上の
階段をのぼりはじめた。


さすがに誰もいない。


鍵は閉まってるだろうけど
屋上の階段の上に座るだけで
安心するんだ。


あの人…あたしのこと…
メス豚って言った…。


それ…どういう意味?!
…本当…ショックだよ…。


「何泣いてる?」


後ろから声がかかりハッとして
振り向いた。


低い声でドキッとする。


突然のことだったから
涙なんて拭く暇もない。


「…どうした?」


もう一回その人は言った。


涙でぼやけて見えない───


あたしは涙を手の甲で拭き、
目を凝らす。


細身の体に…ダサい髪型…。


「あれ…。」


この前ぶつかった人じゃん…。


「俺の名前は柏木。」
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