細い女の子なんて大っ嫌い‼
「…おぉ!
 見違えた!
 やるな…!
 お前!」


興奮して叫んだら柏木は
不機嫌そうな顔をした…。


おぉ、不機嫌そうな顔も
様になる!


だって、その髪型が…
とてもとても似合っていたから。


「はい、私も見違えました!」


美容師さんも興奮したように叫んだ。


「そりゃどーも。」


彼は、不機嫌そうに3010円
さっさと払い、町に出た。


…あれ、気のせい?
…みんながこっち見てるような気が…
しないでもないかも。


…まぁ気のせいか。




『…柏木っ?!』


みんなの声が翌日、揃った。


…でしょ?
やっぱり格好良いもん!


「…奈那!
 良い獲物捕まえたねぇ~…。」


のんびりと帆波ちゃんが言ってくる。


「でしょ?でしょ?」


「え…獲物って何だよ!」


「…あら、柏木、おはようございます♥」


ハートマークを語尾に付けて、
ヒカル…光里さんが挨拶した。


…この面食い!
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