【完】ペテン師との甘い夜
「霧島勇治は…国見夕と一緒に居たんだ。」



国見社長は今までにないくらいぎらぎらと瞳を光らせる。



例えるならば、銀の剣と言ったところだろうか。



恐怖心を煽るような瞳。



私、負けないから。



「つまり、貴方と居た…ということ?」



「まあ間違いはない。」



国見社長は煙草をふうっと吐く。



「霧島勇治って、今何処にいるのかしら?」



私は思い切って言ってみたが



「…ノーコメントだ。」



国見社長は余裕の笑みを絶やさずそう言い放った。
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