【完】ペテン師との甘い夜
「澤木なら、何処からがフェイクか、分かるかもな。」



「え…?」



「なんでもない。これ以上話したら、ぺろっと秘密を言ってしまう。」



国見社長は冗談っぽく言ってビールを飲み干した。



この人に揺さぶりを掛けるのは…やっぱり無理か。



私も諦めてビールに手を伸ばした。



少し苦い舌触り。



最近は強いお酒ばっかりだったからこんなのも、悪くない。



私は目の前の男が社長だということを忘れ、二人で話しながら飲んだ。
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