【完】ペテン師との甘い夜
「ちょっと…何するの!?」



私は腕を握る国見社長を睨んだ。



睨んだ先に見えた国見社長の澄んだ瞳に捕らえられる。



そして次の瞬間、彼は口元をニヤリと歪ませた。



ぞくっ…。



背筋に電撃が走る。



セキといるときのあの感覚を彼に感じた。



国見社長はお酒混じりの熱い吐息を私の耳に近付ける。



「あんたはあのセキにも、六道にも渡さない…。」



甘く思考回路を崩した吐息が耳から移動し、そのまま唇に舞い降りて来た。
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