【完】ペテン師との甘い夜
私は国見社長の黒髪を触りながら話し出す。



「ねぇ、社長…。」



「なんだ?」



俯いた形のままの国見社長は小さな声を出す。



「セキが、何で私のこと気をつけてって言ったか教えましょうか?」



「あぁ…。」



「それは、ね。私が昨日ある理由の為に、彼にキスしたから。」



そう言いながら、私は国見社長の髪の毛を優しく抜いた。



「もう、顔上げていいですよ。」



「分かった。」



すっと国見社長が顔を元に戻す。
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