【完】ペテン師との甘い夜
ギィィ…



重たい金属音が響き中の研究室が見える。



顕微鏡やらよく分からない機材やらが沢山ある部屋。



「やぁ田中さん。いらっしゃい。」



中から中年の男性が現れた。



「瀬高さん、いつもお世話になっています。」



朱美ちゃんがいつもの女口調ではなく丁寧な言葉で喋り出した。



成る程。



この朱美ちゃんは"田中正樹"の顔な訳だ。



「田中さん、そちらの方は?」



瀬高さんと呼ばれた白衣の研究員は私を指差した。
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