【完】ペテン師との甘い夜
「確かに預かりました。少し時間が掛かりますので後日連絡します。」



瀬高さんは丁寧なお辞儀を一礼すると、踵を返し奥に行こうとする。



「瀬高さん。」



朱美ちゃんは瀬高さんの背中へ向けて声を掛けた。



「何でしょう、田中さん。」



「実はもう一人、鑑定して欲しい人がいます。」



瀬高さんは眉間に深く皴を寄せる。



「私のDNAです。その二人分のDNAの兄弟鑑定をして欲しいのです。」



瀬高さんは怪訝そうな顔のまま頷いた。
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