【完】ペテン師との甘い夜
「知りたいこと、山ほどある。」



朱美ちゃんは低く低く囁いた。



瞳は何を捕らえているのか分からないくらい深い。



「伊織チャン、貴方は、何故奴らの正体が知りたい?」



朱美ちゃんは真剣な声色で尋ねてきた。



何故…。



最初はただの興味本位。



だけど、今は。



「知りたい、彼を…"セキ"を。」



「そう、本気で好きなのね…。」



私はいつしか、あのペテン師を好きに…。
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