【完】ペテン師との甘い夜
気が付けばセキのことばかり考えていて。



あの痺れるような甘いキスも、怖いくらい呑み込まれるそれ以上の好意も。



全て、全ての脳裏に刻まれて、私は彼しか見えなくなっている。



今まで愛だと思っていたものとは全く違う。



深く、熱く、目まぐるしい感情。



こんな気持ちになるのは、セキが最初で最後がいい。



それくらい、彼に嵌まっているのだ…。



「伊織チャン、もうアイツしか見えなくなったのね…。」



朱美ちゃんの言葉は、車内にシンと染み渡った。
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