【完】ペテン師との甘い夜
静寂の空気の中に突然音楽が鳴り出す。



「伊織チャンの携帯じゃない?」



「そう、みたいね。」



私はハンドバッグから携帯を取り出した。



「知らない番号。」



「出てみれば?」



朱美ちゃんに促され私は携帯に出た。



『もしもし伊織?良かった。番号変わってなくて!』



「ショウジ?」



電話の主はついこの間会ったばかりのショウジ。



「どうかしたの?」



『おぉ、この間のことで、"霧島勇治"についてまた詳しく調べてみたんだ。』



受話器の向こう側でショウジは淡々と話す。
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