【完】ペテン師との甘い夜
『それで、あいつの祖父の素性について引っ掛かってな。』



「祖父?」



一体、どういうことなんだろう?



『伊織、今朱美さんと一緒?』



「えぇ。替わろうか?」



私は一度受話器から耳を話す。



「朱美ちゃん、ショウジが話したいって。」



「分かった。ちょっと待って。」



そう言うと朱美ちゃんは、ハンドルを切り近くのコンビニに車を停めた。



「貸して。」



細い指先から携帯をするりと引き抜かれる。



朱美ちゃんは私の携帯でショウジと話しはじめた。
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