【完】ペテン師との甘い夜
Side with 朱美
はぁ…。
私ってば、何を言おうとしてるのかしら。
どうせなら私に。
…………私に惚れれば良かったなんて。
そんな色恋沙汰に手を出しても幸せにはなれない。
そんなこと、分かってるのに。
何時からだろうか…?
私は…。
いや、俺は…。
彼女を、伊織チャンを好きになってた。
昨日この場所で伊織チャンに理由を付けてキスをした。
でもアイツは理由もなしにキス出来る。
分かってた事実。
だけど昨日事実を目の当たりにして愕然とした…。
セキには、敵わないと思った。