【完】ペテン師との甘い夜
翌日。
私は昨日の研究室へ一人で向かった。
「田中さん。いらっしゃい。」
小柄な瀬高さんが私の方に近寄って来る。
「鑑定結果は…。」
「あぁ、しっかり出てるよ。」
瀬高さんは持っていた薄緑色の封筒を渡した。
「封筒に赤い付箋が貼ってある方が田中さんが持って来たもの。何も貼っていないのは澤木さんが持って来たものの鑑定結果です。」
彼の言葉を耳の片隅に聞き、私は封筒の中の紙を見た。
「…ビンゴ。」
やっぱり予想通り。