【完】ペテン師との甘い夜
私達は二人揃って何時ものお店に行った。
お店には朱美ちゃんと、国見夕社長がいた。
「これで全員揃ったわね。」
カウンターに頬杖していた朱美ちゃんは、そっと私の隣にいるセキを見据えた。
国見社長もいつになく真剣で強い眼差しをしている。
「じゃあ、聞かせて貰おうかな?朱也の推理を。」
セキも青い瞳をギラギラ輝かせて微笑んだ。
朱美ちゃんを"朱美ちゃん"とも"シュウ"とも呼ばず、"朱也"と呼んだのは初めてだ。
おそらく、セキも真剣なんだろうと思った。