【完】ペテン師との甘い夜
「まずは鑑定結果から聞いてもいいかな?」



セキはカウンター席に腰を降ろした。



私もその結果は知りたい。



「あんたが、本物の兄さんなんだろ?」



朱美ちゃんが真っ直ぐ見据える先には…セキがいた。



「あんたが本物の国見夕だ。」



「うん。DNA上ではね。」



セキは怪しく瞳を細める。



「ってことは、社長、貴方は霧島勇治?」



私の問い掛けに社長は顔を上げた。



「…そうだ。DNA上はな。」



やっぱり、そうなんだ…。
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