【完】ペテン師との甘い夜
「最後に君を満たしてあげる。」



美し過ぎる彼の顔が降りてくれば、熱く痺れる温度を持った唇が自分の唇に重なった。



今日だけで、二回もキスしてる。



思考がおかしくなっちゃうよ…。



それでも体はセキを求めて疼いている。



セキは私に口づけを続けながら自分のポケットに手を入れた。



一度唇を離すと私にポケットから出したものを握らせる。



それは、握るところにハンカチが巻かれたナイフだった。



「伊織、これは君の役目だ。」



ビックリするほどなまめかしい光を放つナイフ。



これで、私がセキを…。
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