【完】ペテン師との甘い夜
しかしそのツネさんは一年前に他界。



私はそれを期に、このお店を開いた。



「オーナー!開きますよ!」



「えぇ…お願いね。」



私は無機質に光る電光を眺めながら言う。



レンジの笑顔に、心では笑顔で応えていた。



でも、体は、反応を起こさない。



『起こせない』の。



私はあの日を境に、笑うことも泣くことも出来なくなった。



感情は、ある。



でも、顔に出す方法が分からないの。



これが、神様が私に与えた罰なのかもしれない…。
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