【完】ペテン師との甘い夜
「よっ!元気にしてた?伊織チャン。」
前より華奢になった体。
シャープな顔立ちは少しだけ落ち着きが芽生え
オレンジ色だった髪の毛は優しい焦げ茶色に。
「あ…朱美ちゃん。」
目の前の男性は間違いなく朱美ちゃんだった。
「伊織チャン、悪いけど、もう六道朱也に戻ったよ。」
変わらないケラケラと笑う声。
でも確実に月日は朱美ちゃんを男性として成長させていた。
「ね、オーナー借りていい?」
朱美ちゃんはミキトに聞く。
「どーぞ。お店は大丈夫ですのでご心配なく。」
そう言われた瞬間強引に外へ連れ出された。