【完】ペテン師との甘い夜
「……驚いた。君がこんなに化けるなんてな。」
会社終わり。
私は駐車場にバッチリ化粧をして、結んでいた髪の毛を解き、伊達眼鏡を外した姿で行った。
「ありがとうございます。」
私は美しい角度で頭を下げる。
「普段もそうしてれば綺麗なのに。」
「いえ、恥ずかしいので。」
私が言うと
「そっかぁ。」
と言って、彼は車の鍵を開けた。
「さぁ、乗って!」
私は部長の車に乗り込んだ。