【完】ペテン師との甘い夜
うまく息が出来ない。



頭がボーッとして、思考回路がおかしくなる。



セキの巧みな舌遣いに、完全に酔いしれていた。



唇が離れると空気を大きく吸う。



セキは一瞬目を細め、私の首筋にそっと近寄った。



「えっ…ちょっ!?」



一瞬チクリと痛みが走ると、セキの顔が離れる。



彼の青い瞳から、『満足』の光が放たれている。



「君は、オレだけを見てればいいんだ…。」



さっき吸い付いた場所にセキは愛おしそうに指先を這わせた。
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